《たえ》の早合点で、11月21日から23日の予定で、東吉野ふるさと村へ3度目で5泊することになった僕達。
晩秋というやつだ!
字は違うが、播州といえば、赤穂浪士が有名であるが、東吉野は《天誅組》が有名である。
天誅組とは、倒幕派に逆風が吹いた際に、京を離れて吉野から再起を図った志士達であるが、志なかばで、儚く散った紅葉の志士達のことだ。
うん。この話いんの?
話をキャンプに戻すと天気予報によれば
21日 晴れのち曇り
22日 曇り
23日 曇りのち雨
であった。
予定では、今年最後のキャンプだったので、雨で終わりたくない僕は、珍しく消極的で、1泊2日の提案をしたのであるが、頑として《たえ》が2泊3日にこだわったので《たえ》の案を決行することにした僕達。
メニューは
1日目の昼 焼きそば
1日目の夜 鯵のつみれ鍋
2日目の朝 残り出汁雑炊
2日目の昼 ペペロンチーノ
2日目の夜 ローストチキン
3日目の朝 フランスパンなど
の予定だ。
うん。あまり代わり映えないよね(笑)
いつも通り、10時に到着して受付をすると、管理人さんが言う←もはや、チェックイン14時というルールは無視!
『○○さん。明日は、どうしはります?』
うん?
管理人さんが言うには、現時点の予報では、明日の夕方には雨が降り始め、夜には本降りになり、明後日も雨だということだ。
だから、取り敢えずは1泊2日にして、様子をみましょうかと言ってくださった。
出来るだけ、キャンセルは避けたい僕には助かる提案だった。
ここで、初めて晩秋キャンプのテント内部のレポをさせていただく。
テントを設営して、内部に銀マットを敷く、その上にコーナンで売っていた、畳めばカバン状になる、ねずみ色のやつを敷く、更に《たえ》の亡き父が、誰かに頼まれて買わざるを得なかった、磁石入りの購入当時20万円(昔、流行った詐欺まがいのやつ)の布団を敷く。←この曖昧なんがレポなのか!?
そして、ついでに、うちのリビングでカーペットの上のやつを敷く、因みにこいつは、奇跡的に僕達のテントに合うカラーだ!
とどめに、僕が去年に入院した時に使ったマットを敷く。
うん。もお、ええわっ!のレベル超えてるよね!
寝袋は足下に薄い毛布を仮縫いして、掛け布団は例の磁石である。
いくら、インナーがフルメッシュで、フライにスカートがない僕達のテントだが、これで寒い訳はない。
の?
うん。ちょっと不安だね(笑)
テントの話はおいといて、問題はメニュー構成である。
1泊2日になるかも知れないから、当然に生物を優先的に消費しなければならない。
という訳で
昼 鯵のつみれ鍋
夜 ローストチキン(ダッチ)
後は、臨機応変にすることにした。
今回は、初ダッチということで、失敗したくない僕は、3種類の炭と薪を用意した。
安い木炭
オガ炭
備長炭
の3種類である。
ダッチの火力の強弱と火もちのためだ。
早速、ダッチの蓋にオガ炭を立てて並べれるように、短くノコギリで切る。
そして、薪で井型を組んで、火つきのよい木炭に火をつけて、オガ炭と備長炭に火をつける作戦な訳だ。
次に、完全に真っ赤っかに火のついたオガ炭と備長炭を鍋の分以外を、火消し壺に入れて、ダッチ用に取っておくという訳だ。
昼ごはんを美味しく食べ終えて、片付けをして、風呂上がりの焚き火兼種火の準備も万全にして、夕方はいよいよ風呂である。
毎回、2回も入っているので顔見知りな僕達。
今回も、予定では2泊と言うと、現時点での天気予報では、明日の昼頃から本降りに変わってるとのことだ!
僕達の携帯は圏外で、天気予報やニュースなどの情報は入らないのだが、翌日Wi-Fiという機能に気づく(笑)
僕は、ここに来ると必ず、洗い場の床をすべてシャワーで洗い流し、すべての桶と椅子を元に戻すと決めている。
しかも、今年のキャンプの最後の夜かもしれないので、思いを込めて念入りにしておいた。
『兄ちゃん。清掃ありがとうな。』
と、いつの間にか入っていてた、老人が、僕に言ってくれた。
『兄ちゃん。勤め先はどこや?』
えっ?自分、大阪ですし、自営です。
『解ってる。兄ちゃんの行動を見てたら、自衛隊か警察官と思ったんや。』
……………………
言えない…
言えるわけがない…
通学路にある、うちの事務所前を通学する児童から
『ちゃん、なんで働けへんの?』
『仕事嫌いな人!』
『仕事してるふりする人!』
『なんで《たえ》は、ちゃんみたいな人と結婚したん?』
というような悪口を超え、婚姻関係まで否定されてる人間とは言えない。
うん。そこまで訊いてないよね(笑)
そして、1人になった浴場で、普段は願い事をしないのだが、この東吉野で神々として祀られている、天誅組の皆様に雨が降らないようにお願いして、風呂を上がった。
ダッチの準備をしていると《たえ》が誰かと会話しているかのような感じで帰ってくる。
『月子、あんた頑張って照らしや。雲、シッ、シッシッ!あんた、あっち行き、月子の邪魔したらあかん!』
……………………………
『月子に頼んだから、明日は大丈夫やで。』
《たえ》のイタみに堪えれるのは、世界に僕だけしかいないだろう(笑)←天誅組に語りかけた奴が言う!
ローストチキンも、ほぼ完璧に出来て、2人で楽しい夜を過ごした。
翌朝、天気予報は変わっており、雨が降るとしても、23日の昼前とのことだ。
それを聞いた《たえ》は、自分が月子に頼んだおかげと言い張る。
厳密に言わせてもらえれば、雨を降らせるのは雲であるので、月子に頼んだからではなく、雲太郎に『シッ、シッシッ!あんた、あっち行き』と追っ払ったからだ。
連泊になったので、酒類の残りをチェックすると、残りはビール5本だけであった。
ビール23本
日本酒1本
ワイン2本
持ってきて、残りはビール5本
近くの酒屋に買いに行くことにした僕に、いたずら心が芽生えた。
《たえ》に恥ずかしい思いをさせてやる。
村の小さな酒屋で、物色してる《たえ》に店のおばさんに聞こえるように
『えーっ!昨日、ビール18本に日本酒1本とワイン2本も呑んだのに、まだ、そんなに呑むの!?』
と(笑)
唖然とするおばさんを尻目に《たえ》は平然とこう言った。
『あたし、まったく二日酔いとかちゃうで。』
それが返し!!!!!
すげぇ!何を言っても通じない!
泣けてきた(笑)
結局、ビール6本と酎ハイ5本を買った《たえ》は
高校生の頃、夜のアルバイトをしていたのだが、出勤前に、日本酒を1本呑んでから、出勤していたという!
きっと、天誅組の吉村寅太郎先生は
『げにまっこと恐ろしいのは、おんしゃの妻じゃの』
と言ったに違いない(笑)
こうして、今年最後になるであろうキャンプは、楽しく過ごせた(^^)
その頃、弟は冬キャンプに備えて、ある計画を思い付いていたのだ!
ビフォア
アフター
炭壺
初ダッチ