以前のブログで、薪を割るための斧は必須だと言いながら、自分では持っていないという僕(笑)
買ってまで必要なのかと考えていたのである←人に必須と言った奴が言う!
しかし、せっかく焚き火を買ったのだから、薪割りをして焚き火をしたくなった僕。
そんな時、僕の頭に稲妻が落ちてきた!
うん。死んじゃうね(笑)
ちょっと待てよ…
斧やろ…
あーっ!
斧あるやん!
社長の斧あるやん!
突然、話は変わるが、僕には人生で3人の師匠がいる。
亡き父親
T弁護士
K社長
である。
社長の斧とは《K社長の自作の斧》のことだ!
師匠といっても付き合いは浅く、初めての出会いは3年ぐらい前で、得意先に言われて、社長の工場に資材を2回配達して立ち話をした程度である。
その話が桁違いに面白く痛快なのである。
趣味は多彩で、鹿撃ちや猪狩りに海釣りなど、挙げればキリがなく、なにがスゴいというと。
鹿撃ちの場合は北海道に行くらしいのだが、その際にポイントで待つための、トラックの荷台に積み降ろし可能な《自作のキャンピングカー》
僕が『許可とかってどうなん?』と訊くと
『ただの荷物ですやん』←敬語が逆な僕達(笑)
猪狩りに行く際は《自作の檻の罠》に、とどめを刺すための《自作の槍》
僕が『猪って臭みないん?』
『しょせん豚ですやん』
海釣りの際に大物を求めて沖に出るための《自作の全長12メートルの漁船》
僕が『漁協とかに怒られへんの?』
『俺のアダ名は日本海の海賊ですで』
と、こんな感じだ(笑)
自宅兼工場も60坪ぐらいの3階建ての自作である。
『1人には広すぎて寂しいですで』
と言っていた。
さらに驚くことは、これらの自作の数々は図面を紙に書いたのではなく、頭の中に図面を書いて作ったことだ!
僕が『マジで!?』
『ピタゴラスの定理ですやん』
だ(笑)
その後、半年ぐらいが過ぎた頃、うちの会社は僕の旧知の社長から、事業に軽量鉄骨の加工を加えるように言われていたので、短い品物などであれば工夫して、うちの掘っ立て小屋でしていたのだが、やはり限界がある。
そんな時、うちでは出来ないボリュームの仕事の依頼が来たのだが、義理もあるので加工しなければならない。
その時、僕の脳裏にK社長の笑顔が浮かんだのだ!
僕は、すぐさま社長に連絡をとり、社長の工場へ向かった。
仕事の内容を伝えて、社長に依頼すると、意外な回答が返ってきた。
『俺のカンやけど、これチャンスですで。俺の工場で弟と二人でしたらよろしいやん。』
えっ…
『俺に日当払ったら、もったいないですやん。』
………………
言葉が出ない僕を見て、社長は笑顔で、こうつけ加えた。
『家賃とかよろしいよ。俺が好きで貸すんやし、俺、若い奴が成長するのんが、すっきゃねん。』
僕は、涙をこらえるのに必死だったが、こらえきれなかった…
わずか、半年前に知り合い2回しか会ってない若造に、こんなことをしてくれる人がいるのだ!
『俺、遊びに行きたいから、合鍵渡しときますわ。口説きがいのある女の子がいてますねん。』
と言い、20歳も年下の女性の元に遊びに行った。
因みに、社長は71歳である!
社長のおかげで、仕事を無事に済ませて、義理も果たせた僕だった。
社長の痛快さや面白さは、拙いブログで伝えることは難しいのだが、ある時、このような出来事があった。
社長からの電話
『Kです。自分、今どこにおるん?』
僕『市内やけど、社長どしたん?』
『玄関の鍵閉めて、(電動)シャッター閉めもうてん。自分、工場の鍵持ってるやろ?鍵貸してくれへん?』←社長の鍵やん!
僕『キーホルダーについてるわ!』
『自分、事務所におるんやったら、遊びに行く前に、借りに行こう思て。』←社長の鍵!
僕『今から、社長んとこに持っていくわ!』
『自分、配達あるんやろ?それは悪いわ。』←社長の鍵!
僕『何を言うてんますの!すぐに持っていくわ!30分だけ待って!』
『ホンマ?合鍵作ったら返すわ。』←社長の鍵!
思いっきり急いで、社長の工場に着いた僕に社長はこう言った。
『横で合鍵作ったら、すぐに返すわ。』←だから、社長のん!
横の昔風の金物屋は、社長の弟さんが経営しているので、合鍵を作りに行った僕と社長。
……………………………
(社長の鍵は、中にあるわけだから、合鍵を作らなくても、僕の鍵で開けたらいいのでは?)←だから、社長の鍵!
しかし、ベースになる鍵はなかったので、僕の鍵から、社長の合鍵は作れなかった。←だから、社長の鍵や!
『俺、遊びに行きたいから、合鍵は明日でも作っとくから、自分の鍵貸しといてな!』←だから、社長の鍵!
と、鍵のお礼にくれたのが《社長の斧》である!
この斧は柄の素材とバランスにもこだわったらしく、社長の自慢の斧だ。
だから、手に反動がこない作りになっている。
当時の僕は、斧を使う人生なんて考えられなかったが、社長の言葉を思い出した!
『いつか使う日が来ますで。』
だった!
社長!ホンマに使う日が来たわ!
この《社長の斧》は僕にとって、運命の斧であり、キャンプは宿命だったのだ!
そして、斧の技術に対する社長の言葉は
『ピタゴラスの定理ですやん。』
だった(笑)
今は奈良に住んでいる社長だが、今年の2月に顔を見に行ったのだが、相変わらずの社長で
『俺な、ブルーベリー育ててんねんけど、実がなったら鳥がきよんねん。腹立つから、鳥の見てる前で食べたった!
目よくなったで!』
と子供のような笑顔で言っていた!
そんな社長は今年で74歳!
社長は人生の達人である(笑)
ねぇ。運命の斧なのに忘れてたよね(笑)
そして、ダッチオーブンを買った僕に、弟がダッチオーブンリフターを作ってくれていた!
これらの神器を新たに加えて、再び11月の晩秋の《東吉野ふるさと村》に行く僕達であった。
携帯の調子が悪いので、消える前に、連続投稿で、スミマセン。